2001年 全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
開幕戦 RACE REPORT
フォーミュラ・ニッポン 第1戦 <予 選>
3月24日(土) ・天候/曇 ・コース/ドライ ・出走台数/20台
波瀾の公式練習を補う走りで、68はシングルグリッド9位 、 69は14位から入賞を狙う!
新世紀フォーミュラ・ニッポン、開幕!
新世紀フォーミュラ・ニッポンを2台体制で挑むDoCoMo DANDELION。
 それに伴いチームはドライバー、チーフエンジニア等を含めたスタッフ体制を一新し、開幕戦に向け入念な準備を進めてきた。2月に行われたMINEでのプライベートテストを皮切りに、3月にはツインリンクもてぎ、鈴鹿サーキットと2度にわたってFN公式走行会に参加。目先のタイムだけを追いかけずに現実の弱点を明確化し最優先で解消していくという作業を、昨年までのデータ分析から生まれたチームの新方針の基で進行させた。タイトなスケジュールではあったが、この3段階のセッションで開幕戦までにやらなければならない数々のメニューが確実にこなされたという実感を得ることができた。
さらに初戦からシリーズの流れをつかみとるために必要なチーム全体のコミュニケーションの形成も、何もかも新しいチーム状況で多少の戸惑いはあったものの、メカニック、ドライバー各自が役割を明確化したことにより自然に解消することができたようだ。
公式練習(3/24 10:15〜 COURSE/ドライ 60分間)
野田選手はコースイン直後の1Lap 目にエンジンブローでコースアウト。ヤレック選手も3Lap目、コーナーを攻め過ぎコースアウトしあっけなくチームの公式練習は終了してしまった。新チーム、シリーズ初戦ということでセッティングデータを少しでも多く取りたかっただけにこの思わぬ アクシデントはチームにとって大きな痛手となった。
公式予選1回目(3/24 14:20〜 COURSE/ドライ45分間)
68・野田選手/貴重な練習走行をエンジンブローで不意にした野田選手。しかしそこはイギリス、アメリカで幾多のレース経験を重ねてきた自信からか、予選に対する焦りの色は感じられない。そんな彼ならではのリラックスムードで迎えた予選1回目、コースインと同時に彼の自信を実証するかのようなアグレッシブな走りでアタックを開始した。周回を重ねるごとにタイムを上げ、最終アタックで1分46秒045 をマーク。4位の好位置につけた。
69・ヤレック選手/練習走行のミスで予選セッティングがつかめなかったためヤレック選手は、前回の走行会でのセッティングで予選に挑んだ。開幕戦の予選としてはドライビングそのもののリズムは軽快で、やはり野田選手と同様に緊張の色はうかがえない。が、小さなミスがポイント、ポイントに出てタイムは目標を1秒下回る47秒台で14位 。比較的レース実績の少ないヤレック選手にとっては朝のミスがここにきて響いているようだ。午後からの予選でトップ10圏内を目指す。
公式予選2回目(3/24 16:15〜 COURSE/ドライ45分間)
68・野田選手/予選1回目の好調を持ってすれば45秒台前半に入れるであろうとチームは期待を持った。がしかし更なるタイムアップを目指し1回目のセッティングを微妙に変更したことが裏目となり、マシンの挙動は大きく変化してしまいタイムをロス。野田選手自身もチームのサポートが順調だっただけに、タイムアップを狙い過ぎ油断したようだ。 結果的にはどうにかトップ10内をキープできたのが幸いである。
69・ヤレック選手/ヤレック選手はまず1回目と同じセッティングでアタックを開始。 3〜4Lap でのピットインを繰り返しセッティングを変更するものの、いま一歩方向性が定まらない。予選という時間に追われ、やはり朝のミスが本番で影響した形となった。
第1戦・総合予選正式結果 /68 9位(出走20台)。ベストタイム/1分46秒045
/69 13位(出走20台)。ベストタイム/1分46秒553
野田選手コメント
「予選1回目はセッティングが決まり好調でだったのですが、2回目は思ったほどタイ ムが上がず残念。決勝ではチームのためにポイントが取れるよう頑張ります。」
ヤレック選手コメント
「MINE、もてぎ、鈴鹿でのテストからマシンとの相性は良く、その延長上でセッテ ィングを煮詰めていきたかったのですが、やはり朝のコースアウトが響きました。」

フォーミュラ・ニッポン 第1戦 <決 勝>
3月25日(日) ・天候/雨 ・コース/ウェット ・出走台数/20台
雨中のレース。68は6位まで順位を上げながら24Lap エンジンブロー。69は14位完走。
21世紀最初のフォーミュラ・ニッポン。早朝から強弱を繰り返す雨が降り続く過酷なコンディションとなりレインレースが宣言された。このために安全重視のレギュレーションからレース中のタイヤ交換の義務が無くなった。
各チームとも朝のフリー走行では前日までできなかったレインセッティングを煮詰める作業に追われた。レインタイヤ、フルタンクでのセッティングで軽めの調整に入った二人のドライバー。順調にタイムを刻む野田選手とは対照的にヤレック選手はレインセッティングが決まらず四苦八苦。さらに野田選手は意気込み過ぎてスリップコースアウトでフロントを大破。メカニックにノーズ修復作業を発生させてしまった。ともあれ決勝本番、二人のウェットパフォーマンスに期待する。
決勝(03/25 14:35〜 COURSE/ウエット 35周)
68・野田選手/雨で10分遅れでスタートした決勝。各車の一斉スタートでウォータースクリーンが激しく巻き上がる。慎重なアクセルワークで9番手からスタートダッシュを決めた野田選手は1コーナーで一気に5番手までジャンプアップした。がその後のコーナーでグリッド待機中に変更したセッティングが影響してオーバーステアが発生。オープニングラップは7番手まで下げてしまった。7Lap あたりまでこのオーバーステアに苦しみ順位をまたひとつ下げた。そしてスタート時に激しかった雨が小雨になるにつれ、徐々にオーバーステアが解消されタイムは上がりだした。雨がまた激しくなるレース中盤までは順調な走りで6位 をキープ。後方からの追い上げもなく、チームはこのままのレース展開を望んだ。しかし21Lap 、エンジン音に変調が現れた。ピットではDoCoMoテレメタリーシステムで油圧が下がっていることが判明。どこまでエンジンが持つかはわからないが幸いこの時点で後方との差はまだ十分にある。このまま走るしかない我慢のレースとなった。そんな願いも虚しく24Lap の130Rを越えたところでエンジンがブロー。ピットに戻りそのままガレージのシャッターが下ろされた。
69・ヤレック選手/中段13番グリッドスタートのヤレック選手。前方からの激しい水煙のせいで1コーナ進入のコース取りをミス。18番手まで後退してしまった。ここからヤレック選手はチームの指示通 りに焦らず慎重にレースを組み立てることに専念した。ヤレック選手のマシンも雨が激しくなるとオーバーステアが現れ思い通 りのライン取りができず苦戦。確実に1Lap づつ重ねていった。レース後半、ようやく自分のペースでレースができるようになり見事14位 で完走。チームに貴重なデータをプレゼントした。
第1戦・決勝正式結果 /68 リタイア(24Lap)。ベストタイム/1分46秒045
/69 14位(出走20台) 。ベストタイム/1分46秒553
野田選手コメント
「スタート直前に雨が弱くなりグリッド上で変更したセッティングが裏目にでました。 前半雨が強く降りオーバーステアでひと苦労。8Lap にコースアウトした松田選手のマシンを見て、ここ数年日本での自分のレース展開が脳裏を横切りました。はやる気持ちを抑え冷静になるよう自分に言い聞かせました。チームのためにポイントを奪取するという目的を再確認しレースに専念。ポイント圏内の6位 をほぼつかみかけた矢先のエンジントラブルはとても残念です。この悔しさは絶対に次のレースにぶつけます。」
ヤレック選手コメント
「朝のフリー走行での決勝セッティングが決まらず焦りましたが、監督からこの厳しい状況の中で完走するように指示を受けました。この事でかえってリラックスした走りができ完走することができました。最低限の仕事ができベターな結果 だと思っています。」
村岡監督コメント
「開幕戦まで3度のテスト走行で新体制のチームがやるべきメニューを順調にこなしてきました。が、土曜日の練習走行を二人とも走れなかったのはまったくの予定外でした。さらに決勝前のフリー走行で野田選手がコースアウトしたトラブルも痛かったです。野田選手からはシステマチックな走りに陥った一瞬のスキに起きたスピンだったと報告がありました。そして今回決勝でのポイントとなったエンジンブロー。チームとして野田選手にここ一番集中してもらい、ポイントが取れるようすべてを整えたつもりだっただけに、このトラブルは残念の一言です。ただ得るものもあり、次からのレースに確実に活かしてほしいと思います。
ヤレック選手に関しては、決勝スタートのミスで焦ってしまいメンタルな部分での弱いところがレース序盤に出たようです。終盤に入ってリラックスすることができ、やっと自分の走りを取り戻し過酷なレースを見事完走してくれました。ヤレック選手自身にとっては1周でも多く走れたこと、チームにとってはデータ蓄積が収穫となりました。 今後さらにチーム全体をまとめあげ、次戦に全力を注ぎます。」